コンビニで見かけて装丁から買いにくかった本。このセリフが印象的でした。
楽器を使っていかに自分なりに歌えるか。
それだけだよ。ジャズってのはな。
いや、ほんとそれだけだったらうれしいなぁ…。
酒場のピアニスト、ケン早川(以下、ケ)が、弟子に当たる水上(以下、水)にかけた言葉。
ケ「今夜のオマエのピアノひどくブルーだったな」
水「あっすみません ヤル気無く聞こえました?」
ケ「いや 誉めてんだよ 今のピアノを」
「今夜のピアノはオマエの言葉がにじみ出てた」
「日本人には凄いテクニックを持ってるヤツはいくらでもいるが
自分の言葉で弾けるヤツはめったにいないからな」
水「ヘェ 嬉しいなァ それって」
「奥田さんが言ってました… ジャズは黒人の言葉だって」
ケ「まァ そうかも知れんがな」
水「だから黒人以外のジャズマンはジャズもどきの
プレーヤーでしかないって彼は言ってて」
「俺 正直もの凄くガッカリしちゃって」
「ケンさんも奥田さんと同意見ですか?」
ケ「ソレはまったく気にするな」
「俺も前はその呪縛に悩まされ続けてきたがな」
「楽器を使っていかに自分なりに歌えるか」
「それだけだよ ジャズってのはな」
これってジャズに限った話でも、インストに限った話でも無い気がする。
心がテクニックを超える?
メイシオにも気持ちだけは負けへんと思いたい。
この本、偉人といえるジャズのプレーヤーの基本的な情報と
カクテルの起源がけっこう入っています。
装丁はとても買いにくいし、いらん話も多い。
ネタばれするので書きませんが、
ケン早川がいろんな意味ですごすぎる設定です…。
でも、おもしろかったです。
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