一人でオフィスで作業する男。
傍らではボディフレッシャーなんて
ちょっとあやしい曲がかかっている
「なんでこんなんもできひんのや」
男は自分への悔しさいっぱいに
言葉を発しながら机をバシっとたたいた。
稀にしか口にしない讃岐弁か関西弁かわからぬ言葉だった。
ガタガタ
同時に入り口のドアがぷるぷるゆれた
(えっ、そんなでかい音だしてないのに 入り口が…)
男が目を向けると
くぐもりガラスの向こうには逃げるように
エレベータに乗り込む女の影。
しばらく事態が読み込めなかった男は
自分の激情にびっくりして
女がオフィスに入れなかったことに気付いた。
そしてはるばる休出したにも関わらず
はぐれメタルのように去った女のことをおもって
気持ちが重くなった。
この行動は男が一人で
食を忘れてものづくりに没頭した時にしかみられない
「なんてこった。せっかく何か片付けたくてきたんだろうに。」
男はつぶやきながらカルシウム不足を後悔した。
そして一人で作業する時は、
もっと明るく楽しい曲をかけようと心に誓うのだった。
続く(のか…
こういうしょうもない日常のショックをちゃんと小ネタにして
物語に折り込めるのが三谷幸喜(敬称略)なのかもしれない。
今日テレビに戸田恵子さんと出ていた。
本日公開の映画「THE 有頂天ホテル」の話。
豪華キャストが話題ですが
戸田さん以外は、脚本を読んでからOKしたそう。
「役所さんが出たくなるような、脚本を書いた僕のおかげなんです。
全ては。」
と軽口を叩く三谷さんがとてもほほえましかった。
戸田さんは、三谷さんのことを信頼して尊敬しているので
読まなくてもOKしたんだそうだ。
なんだか、この二人の関係がとてもうらやましく思えた。
そして、こうやって話を勝手に脱線するのが私なのでしょう。
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